体内には、活性酸素を処理してくれる抗酸化酵素として、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)、GSH‐Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)、カタラーゼがあります。また抗酸化ビタミンとしてビタミンC、ビタミンE、カロチノイド(ベータカロチンなど)などがあります。これらはそれぞれ単独に働いているというよりも、ほかのミネラルなどの栄養素とも互いに協力しながら抗酸化という仕事をしています。抗酸化酵素は、必要に応じて体内でつくられています。抗酸化酵素には、それぞれ特定のミネラルが必要です。例えばSODにはマンガンを必要とするものと銅と亜鉛を必要とするものとがあります。GSH‐Pxにはセレニウムが必須です。カタラーゼには鉄が含まれています。抗酸化酵素は、それぞれのミネラルがなければ、うまく働けませんし、ミネラルが不足すれば体内でつくられる量も減ってしまいます。また抗酸化酵素の働きには、ビタミンや他の栄養素も関係しています。例えばビタミンEが不足すると、GSH‐Pxの働きが悪くなります。またオメガ3系の脂肪酸であるEPA(青魚などに含まれる脂肪)によって、GSH‐Pxの働きが活発になります。抗酸化ビタミンであるビタミンCは、水溶性のビタミンですから、細胞質や血漿など体の中の水層(水の部分)で抗酸化の働きをします。しかし金属イオンが近くにあると、逆に酸化促進剤になってしまいます。ですから金属イオンはタンパク質と結合して、ビタミンCと反応しないようになっていなければなりません。ビタミンEは脂溶性ビタミンですから、細胞膜など脂肪の部分で抗酸化の働きをしています。抗酸化というのは、抗酸化物質自身が活性酸素によって酸化されることによって、活性酸素が周りの組織を酸化するのを防ぐ仕組みのことです。細胞膜でビタミンEが酸化されれば、ビタミンEラジカルという酸化されたビタミンEになりますが、近くにビタミンCがあれば、酸化されたビタミンE(ビタミンEラジカル)を元のビタミンEに再生することができます。酸化されたビタミンC(ビタミンCラジカル)は、ビタミンB3(励の補酵素型一NAD?H)の働きで元のビタミンCに戻ったり、自発的に戻ったりします。ビタミンCラジカルは、体に有害な作用を及ぼしません。また補酵素Q‐10という脂溶性抗酸化物質も酸化されたビタミンEを再生します。カロチノイドの得意な守備範囲は、皮膚です。また脂溶性ビタミンとしてビタミンEなどと協力しながら、脂肪の部分でも抗酸化の働きをしています。このように抗酸化という働きだけを見ても、抗酸化酵素、ミネラル、抗酸化ビタミン、抗酸化物質、脂肪酸、タンパク質がチームを組んで協力して働いているのです。いま分かっているだけでもこれだけの栄養素が関係しています。ちまたの健康情報を見ていると、あれもこれも何十種類も健康(栄養)補助食品を摂らなければならないような気がしてくるのは、こうしたチームとして働いている栄養素を精製栄養素としてバラバラに取り上げているからです。いろいろなことが分かってくるにしたがって、摂らなければならない栄養素は増える一方です。無精製栄養素の場合は、チームとして現場で働いているままの状態の栄養素群を摂れるので、いろいろなことが分かってくればそれだけ無精製栄養素の価値が高まるだけで、新たに別の精製栄養素を増やす必要はありません。例えば無精製栄養素のビタミンCは主に柑橘類が素材ですが、柑橘類は熱帯で、強い日差しによる酸化から自分の身を守っています。柑橘類の中では強力な抗酸化チームが働いているのです。こうした柑橘類を素材にした無精製のビタミンCを摂るということは、ビタミンCだけでなく、この抗酸化チームも丸ごと摂っていることになるのです。