鑑定書

2011.06.08

言葉の響きからして、テレビの『なんでも鑑定団』のように、品物の評価鑑定をして、明確に市場価格を鑑定する価格証明書のように思われがちなので、こうした誤解を招きやすい名称のために改善が求められるものですが、業界内では慣例のように使われてしまっているのが現状です。本来、鑑定機関では、このような名称は使用せずに「CTIAMONCTGRACTINGREPORT(ダイヤモンド品質等級報告書)」と明記しており、鑑定書は単に消費者に訴えやすいとの判断で使用されている、誤った名称ともいえます。このダイヤモンド・グレーディング・レポートを、私なりにわかりやすくご説明しましょう。人に例えては申し訳ありませんが、ダイヤモンド・グレーディング・レポートは、ある女性の年齢、体重、スリーサイズを測定し、色白モデル体型だとか、色黒オリーブ体型だとかを鑑定することに似ています。鑑別の手順を踏んだ後に、品質の良し悪しを評価することで、理想のモデルと比較してどのランクに位置するのかというレベルを決定するのが「鑑定書」といえます。しかし、現在のところ鑑定書が発行される品物は、ダイヤモンドのみに限定されています。これは、鑑定には客観的な評価が求められますが、他の宝石には、世界的な統一基準に基づく評価モデルが確立していないという理由からです。ダイヤモンドは一般的に4Cルールといわれるシステムが国際的に普及しており、日本でも同様の鑑定方法が確立されています。ただし、私の個人的見解を申し上げますと、このダイヤモンドの4Cも、ダイヤモンドの真の美しさの本質である輝きを表示するには不十分だと思います。さらなる研究が進み、将来は「4C+アルファ」の、今以上に消費者が安心してダイヤモンドを購入できる鑑定書が完成することを願っています。また、我が国の特産物(現在では中国での養殖も進んでいる)の真珠(和珠・あこや真珠)にこそ、鑑定書が付けられて当然と思うのですが、不思議なことに、AGLの会員の鑑定・鑑別機関からは真珠の鑑定書は発行されておらず、私が知る限りわずかに数か所の研究機関(真珠科学研究所・真珠総合研究所・宇和島真珠振興会など)で発行されているだけです。