もともと地下空間が人間の生活空間でない、ということについては、その理由が、一方では腐敗の世界、他方では暗黒の世界というような差異があるにせよ、日本も欧米も、結果的には見解をおなじくしていた。ただ欧米では、人間の生活空間としてではなく、物置としての利用はすすんだが、日本では、自然条件や建築条件等からそれができなかった。ところが、科学技術の進歩によって、自然条件等を克服して、地下空間利用の可能性がでてくると、日本では早速いままでのタブーをやぶって、人間の生活空間として利用しはじめた。
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ところがあいかわらず、物置としては利用することができない。「物」は人間のように粗悪な環境への適応力がないからである。その結果、現状では、地下空間は欧米ではあいかわらず「物置」として、日本では「人間の生活空間」としてつかわれていることのちがいが、両者の地下空間利用の社会的差異となって浮びあがってきているのである。