一九八〇年ごろと二〇〇〇年ごろとでは底辺の翻訳料金は横ばいか下がり気味だと思える。営業主導型翻訳会社が翻訳者に支払う単価でみて、一九八〇年前後には四百字詰め原稿用紙で一千円以下といえば最低に近かったが、二〇〇〇年前後にも文字数四百字当たり一千円以下の場合が少なくないからだ。もちろん、これはピンからキリまでのキリの話であり、中間あたりでは文字数四百字当たり一千五百円から二千五百円の場合が多いし、ピンの例では一万円という場合もある。それに、翻訳料金を単純に比較する方法には問題もある。パソコン用のマニュアルのように大量発注され、大量にこなせる分野もあれば、金融関係のように一件あたりの分量が少なく、翻訳に時間がかかる分野もある。だが、一般論としていえる点もある。キリの部分では、翻訳の価格は極端に低いのだ。この点は、出版翻訳でも産業翻訳でも、年間百万円強の扶養控除の限度額をなかなか超えられないという話が少なくないことから確認できる。年間の収入が百万円ほどでは、経費を差し引いてわずかでも黒字がでれば御の字のはずである。