アジア・カーの特徴は、現地での新規部品の生産と現地調達にあるが、それを具体化するものが域内の生産ネットワークの形成である。アセアン地域で量産体制を確立する方法には、域内各国で部品の分業体制をつくることである。また、これは二重投資を避ける方法でもある。そのために、アセアン各国による部品の相互補完を税制面や国産化率で支援するBBCスキーム(部品相互補完体制)を、日本の自動車メーカーは活用する。トヨタ、日産、三菱自動車は、すでにこの適用を受けており、本田技研も1995年より適用を受けた。本田技研は、1996年5月、タイに「アセアン統括本部」を設置した。これは、市場の変化にあわせて商品開発・生産計画など迅速に組み直し、実行するアジアーカーの戦略拠点であり、アセアン地域を対象とする効率的な部品調達をおこなうのが役割である。現在、本田技研のフソティの部品現地調達率は70%である。大半は、タイで調達するが、マレーシアやフィリピンなどからバンパーやホイールを購入している。本田技研は、このBBCスキームにもとづく部品の相互補完額は、1996年40億円、97年には80億円に増大することが見込まれている。本田技研は、タイにつづいて、「シティ」の生産を、台湾、マレーシア、インドネシア、フィリピンに拡大しようとしている。
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