遠隔地向けの対策

2011.07.13

「ゲリラ戦略」の形として考えられるのは、遠隔地向けの対策だろう。一部の予備校は、一九八〇年代中葉から盛んに遠隔地に「予備校講師派遣」し、協力関係にある高校(地方の公立・私立校)で、「夏期・冬期」などの各講習を行なっていた。中央ゼミナールなどは、こうした「予備校講師派遣」で地方へのパイプを広げていった予備校の一つである。近年では、学校の週休二日制に伴い土曜日を利用してご受験指導の一環としてこの「予備校講師派遣」制度を利用する高校が増えていると聞く。予備校と高校の共存を図る、こうした形の相互依存は今後も増えていくと思われる。しかし、この予備校講師派遣は、平常の授業期間中に限定されるだろう。なぜなら、「夏期・冬期」の長い休み期間中は、高校が「自前」で講習を行うようになるからだ。というのも、学校の教師に対する締め付けが厳しくなり長い間休むことが難しくなっている。そのため夏休み・冬休みを利用して、高校の教師が受験の補習授業を行うようになるというわけだ。実は、七〇年代半ばまではこうした補習授業は決して珍しいものではなかった。それが再び復活するわけである。では、この「予備校講師派遣」以外にどのような遠隔地向け戦略が考えられるのだろうか。今の受験世代は、参考書を読みたがらない。つまり、文字で思考することを極端に嫌う。とすると、遠隔地の生徒に教材とカセットテープをセットで売りつけている業者があるが、多くの生徒を顧客として獲得するのは難しい。こうした教材を買い求めた生徒も、結局宝の持ち腐れになっているケースが多いようである。やはり、衛星放送を通して各家庭に配信する先端システムが有効である。